厚み
今月に入り、正式に就労移行支援事業所に通いはじめています。
主治医の先生が勧めて下さった事業所さんを選びました。
私の通っている事業所さんでは事前に数回の体験授業を受けさせてもらうことができました。
その体験期間にカウンセリングも行ってくれたのですが、これがとても素晴らしかったです。
臨床心理士や精神科医のカウンセリングとは違った包容感を覚えました。
カウンセリング時間も毎回2時間近くかけて下さったように記憶しています。
一度目のカウンセリング終了時点で、
「この事業所さんに決めよう」
という心づもりができるほど充実したものでした。
毎回別の方がカウンセリングを担当して下さったのですが、
どの方も心耳を澄まして私の声に耳を傾けて下さっていたように思います。
感じてきたことをここまで素直に話してもいいんだ、という雰囲気を用意して下さっていました。
恥ずかしいと感じているところや、
情けないと感じているところも、
ほとんど体裁を取り繕わず吐露できたように思います。
一方で、
話を聞いてもらっている最中には感じていなかったような極度の疲労が、
帰宅後にドっと押し寄せてきたのも正直なところです。
これまでは過去の体験を人に話せないことの大変さを経験してきましたが、
今回は過去の体験を人に話すことの大変さを身を持って知りました。
この感情の抑圧と解放の両極を経験したことで感じたことがあります。
それは、
自分の精神の柔軟性を死守してきたつもりが、
その必死さゆえに、
かえってガチガチに硬直していた部位もあったのではないか、ということです。
広い視野で眺めていたつもりが、
葦の髄から天井を覗くように捉えていたこの世界。
そこにはこれまで自分が気づくことができなかった「厚み」がたしかにありました。
弾丸のようなことばが飛び交う下には、
花のような心づくしもたしかに息づいている。
どちらも自分が生きているこの世界の現実。
そんな温かい気づきが、今日も私を支えてくれています。